登場人物

■ラルフ=ぺルノーズ(13)
   主人公の少年。正義感が強く、ゆえに悩み多きこの物語のヒーロー(古!)。ジェイと出会い、精神的に少年から大人へと成長を遂げていきます。シェシルを師と仰いではいますが、どことなくシェシルの子供っぽさに振り回されている印象もあり、どたばた珍道中を繰り広げていることに、彼は気が付いていません。時々やり取りがコミカルな二人。大切な人を守りたい、助けたいという強い思いで、戦乱の大陸へと踏み出していきます。「強さ」という言葉の意味を多角的に表現したい、そんな性格にしてみました。男の子はこうでなくっちゃ!という著者の希望を一心に受けた少年です。頑張れ!


■シェシル=デュルード(25)
   旅人。ラルフと行動を共にします。伝説の傭兵として名を馳せ戦場を駆け巡っていた過去があります。相棒は長剣『ジャスティス』(彼女の渾名でもあります)これについても、サイドストーリーがあります。ある日、ラルフを助けたことで、彼女の人生が少しずつ変化していくことになります。乱暴で短気な自分を演じていますが、思いやりがあり、挙句お人好し。方向音痴でラルフを振り回している感じ。ノリスを一途に想い続けている可愛い人でもあります。数々の戦歴により完璧な人間像を与えられがちな彼女にも、人間味溢れる苦悩や痛みがあるということを、今回は目指して肉付け中。シェシルの過去はおいおい小出しに明らかになっていきます。物語の根幹に大変近いサイドストーリーを沢山持っている人です。


■ジェフティ=ボルス=ディルーベス(ジェイ)(13)
   神に仕えしディルーベス一族の美しい巫女姫。ラルフの大切な女の子。一途なラルフに想われ続ける、ある意味幸せな子だなぁ。それでも、ラルフを信じ続け待ち続ける芯の強い女の子として、今回は少々性格を修正しました。ラルフを助けるために、受身なヒロイン像から凛とした共に戦う姿勢へ。彼女のことについては、物語の根幹にかかわることが多いので、割愛させていただきます。


■インサ(14)
   ラルフと行動を共にする少年。泥棒。何かと騒動を起こしラルフたちに災難を引き起こしますが、どこか憎めない愛嬌があります。その愛嬌に結局シェシルもやられてしまうような感じなのですが、さてこの先どうなることやら。『第4章 夢の中霧の中』からラルフ・シェシルと共に逃亡の旅に付き合うことになります。


■アスベリア=ベルン(28)
   ノリスの旧友で元同僚。美貌の騎士だが、本人は気がついていないような。ノベリア国アカヤ領領主にして、国王軍参謀少将。自分の運命を変えようともがき苦しみ、次第に権力を手にしようと画策し始めます。格好の良さからは程遠い泥臭い野望を抱いていたり、素直でまっすぐであるがために、自分が犯した罪を背負い続ける、弱くもあり強くもある人物を作り上げました。この物語の牽引役はアスベリアなのです。それでもって、この物語で一番もてもてなのもこの人。アスベリアが絡むとお話しの雰囲気が全部大人の香りがしてきます。不思議です。アスベリア編は『第3章 変心の夜更け』からスタートします。


 ノベリア国 その他

■エド=ヘイセン(62)
   ノベリア国王軍所属。アスベリアが領主を務めるアカヤ出身。老兵で、以前戦争で片足を失ってからは、軍の最前線からは身を引き、アスベリアの身辺の世話係りをしています。昔は少佐にまで出世したのですが、今は権力というものに頓着せず、下士官にまで身分を落としてもまったく気にしていません。アスベリアの事を息子のように思って温かく見守っています。。アスベリアとの関係は『第3章 変心の夜更け』にて語られます。


■ダルク=ペルノーズ(40)
   ラルフの父。ラルフの人格形成に一番かかわりのある人で、憧れNo,1は彼で間違いなし。テルテオ村の村長。村一番の狩りの名手。ノリスは実の弟。尊敬される完璧な父親像という感じがします。


■エリア=ペルノーズ(故23)
   ラルフの母。ラルフを産んでまもなく死去。ラルフはマザコンです。ええ、間違いなく。シェシルに覚えのない自分の母親の面影を重ねているという雰囲気で書いています。


■シモーヌ=ペルノーズ(60)
   ダルク・ノリス兄弟の実母。テルテオ村の薬師。ある意味、偉大な方です。物語序盤、とても威厳を放っていらっしゃいます。


■シェンタール=アニス(27)
   オルバー城下で娼館「アニス」を営む女主人。アスベリアとは子供の頃からの知り合い。深い関係というわけではないが、お互い大人の間柄!?どっちかというと、シェンタールがアスベリアをからかっているだけ。


■ノリス=ぺルノーズ(30)
   ラルフの叔父。ノベリア国の元英雄。ラルフの憧れの人No,2。戦場の鬼神と恐れられ、数々の功績を挙げ華々しく活躍したが、ノベリア国王ザムラスに失望し生まれ故郷テルテオ村に戻ってきた。シェシルとは過去にちょっと何かありました(や、ちょっとどころではありませんが)。その為、シェシルはずっとノリスを想い続けています。序盤ノリスとダルクのちょっとしたセリフで、シェシルのことを言っているのですが、お気づきになりました?ノリスはシェシルを愛していました(断言)プラトニックなので、じれったすぎます、この二人。


■リリール=ボルス=ディルーベス(31)
   ジェフティの母。美しいディルーベスの巫女。芯が強く、ジェイを守るために命を張ってテルテオに逃げてきました。その芯の強さは間違いなくジェイに引き継がれています。


■ザムラス=アルデ=ノベリア(56)
   ノベリア国王。


■ハドルス=クレテ=ノベリア(52)
   ノベリア国第二都市オルバーの領主にして、ザムラス国王の弟。


■エイリア=ナーテ=ノベリア(29)
   オルバーの領主ハドルス=クレテの実子。


■ニーラム=シャマラン(故45)
   傭兵。プリスキラ大陸の南方の国デナル出身。シェシルの傭兵時代前期の育ての親(!?)。シェシルに武術メルタナンを教えたのはこの人。


 コドリス国

■バルナバ=ジェスタル(60)
   コドリス国王。


■セオール=マーニヤ(24)
   コドリス国王バルナバの末娘。母親の身分が低く、王位継承権を持ってはいるが王族からは離れている。しかし、他の兄弟と比べ、抜きに出て優秀で数々の功績を挙げ、それが更なる兄たちの嫉妬心を駆り立てている。もっとも大きな功績は大国ノベリアの後押しも跳ね返したシンパ国侵攻の勝利。


■サルフェイ=スヴィテル(28)
   セオールの側近。大岩のような体格・戦斧を肩に担ぎ屈強な顔立ちのいかにもな戦士。見た目とは裏腹に王立アカデミー出身の貴族で、国王軍に留まっていれば大出世間違いなしと将来を保障されていたが、セオールの才能・美しさに惚れ込み、彼女こそ我が主君と命を捧げている。


■バルハト=ヴァラトニク(25)
   セオールの側近。サルフェイとは対照的にこの世の奇蹟ともいうべき美貌をもつ痩身の男。無口・無愛想・冷徹のきわみ。金色の長い髪・蒼眼。孤児で子供の頃セオールに拾われて以来、ずっと傍に付き添っている。セオールの寵夫との噂もある。